MCPサーバーの選び方とおすすめ一覧|目的別に最適なサーバーを解説 | スマートスタイル TECH BLOG

MCPサーバーは、AIアシスタント(Claudeなど)と外部サービスを安全に連携させるための仕組みです。本記事では、MCPサーバーの基本から種類、目的別おすすめ構成・選び方・導入手順までをわかりやすく解説します。 初めての方でも、自社の環境に合った最適なMCPサーバーを選定できるようになります。 1. MCPサーバーとは MCPサーバーは、AIと外部のデータソースやツールを安全につなぐ仕組みです。ここでは、その基本的な概念と動作の仕組み、主要な機能について解説していきます。 1.1. MCPサーバーの基本概念 MCPサーバーのMCPとは、Model Context Protocolの略称です。これはAnthropic社がClaudeのために開発した、AIと外部システムを標準的な方法で接続するプロトコルを指しています。従来、AIアシスタントが外部データにアクセスするには、サービスごとに個別の連携機能を開発する必要がありました。 MCPサーバーを使えば、統一されたインターフェースで様々なデータソースやツールにアクセスできます。例えば、GitHubのリポジトリ情報を取得したり、Slackにメッセージを送信したり、ローカルファイルを読み書きしたりといった操作が可能になるのです。これにより、AIの活用範囲が大きく広がります。 1.2. MCPサーバーの動作原理 MCPサーバーは、クライアント(Claude Desktop等のAIアプリケーション)とサーバー(データソースやツール)の間で仲介役を果たします。通信にはJSON-RPC 2.0というプロトコルが使われており、構造化されたメッセージのやり取りが行われています。 接続方式には2つのタイプがあります。1つ目は、PC内で完結するローカル実行型で、stdioトランスポート(標準入出力)を使います。2つ目はリモート実行型で、SSE(Server-Sent Events)トランスポートを使ってインターネット経由で通信します。用途や環境に応じて、適切な接続方式を選択できます。 1.3. MCPサーバーの主要な機能 MCPサーバーが提供する機能は、大きく3つの要素に分けられます。まずリソースは、AIがアクセスできるデータそのものを指しています。ファイルの内容やデータベースのレコード、APIから取得した情報などが該当します。 次にプロンプトは、定型的な処理のテンプレートです。よく使う質問や指示をあらかじめ用意しておき、効率的にAIを活用できるようになります。最後のツールは、AIが実行できる具体的な操作を指します。ファイルの作成や削除、外部APIの呼び出し、データの更新など、能動的なアクションを実現します。 2. MCPサーバーの種類と特徴 MCPサーバーには、用途や対象システムに応じてさまざまな種類があります。ここでは主要なカテゴリーごとに、代表的なサーバーとその特徴を紹介していきます。 2.1. 開発・プログラミング向けMCPサーバー 開発者の作業を支援するMCPサーバーとして、GitHub MCP Serverが広く使われています。このサーバーを導入すると、リポジトリの情報取得、Issueの作成や更新、プルリクエストの管理といった操作をAIに依頼できます。コードレビューの効率化や、プロジェクト管理の自動化に役立ちます。 またGit MCP Serverは、ローカル環境のGitリポジトリを操作する際に便利です。コミット履歴の確認やブランチの切り替え、差分の確認などをAIと対話しながら進められます。開発フローがよりスムーズになるでしょう。 2.2. データベース・ストレージ系MCPサーバー データへのアクセスを実現するサーバーでは、Filesystem MCP Serverが基本となります。これはローカルのファイルシステムに安全にアクセスし、ファイルの読み書きを可能にします。指定したディレクトリ配下のみにアクセスを制限できるため、セキュリティ面でも安心です。 データベース連携では、SQLite MCP ServerやPostgreSQL MCP Serverが用意されています。これらを使うと、AIに自然言語でデータベースへの問い合わせを依頼できます。複雑なSQLを書かなくても、必要な情報を引き出せるようになります。 2.3. 外部サービス連携系MCPサーバー ビジネスツールとの連携では、Slack MCP Serverが代表的です。チャンネルへのメッセージ投稿や、過去のメッセージ検索がAIを通じて実行できます。社内コミュニケーションの効率化や情報収集の自動化に活用されています。 他にもNotionとの連携でナレッジベースの検索や更新が可能になったり、Google Drive MCP Serveでクラウドストレージのファイル操作ができたりします。日常的に使うツールとAIを組み合わせることで、業務の生産性が向上します。 2.4. ブラウザ自動化・テスト系MCPサーバー Web操作の自動化には、Puppeteer […]

デジタルスキル標準(DSS)ver.2.0とは?変更点・DX人材戦略への影響をわかりやすく解説

DX研修を実施しているのに、現場が変わらない。AIも導入したが、結局使われていない——そんな状況に陥っていないでしょうか? 2026年4月16日、経済産業省と独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は、「デジタルスキル標準(DSS)ver.2.0」を正式に公表しました。今回の改訂の本質は、スキルリストの更新ではありません。DX人材を「個人のスキル」で見る段階から、「役割・組織・データ運用体制」として設計する段階への転換です。 本記事では、変更前(ver.1系)との対比を軸に、DX推進担当者・人事・経営層が把握しておくべき変更点と、企業が今すぐ取るべき人材戦略の方向性を整理します。 1. デジタルスキル標準(DSS)ver.2.0とは何か? デジタルスキル標準(DSS)ver.2.0とは、「DX人材をスキルではなく役割(ロール)単位で定義するための国のフレームワーク」です。 デジタルスキル標準(DSS)は、DXを推進するために個人が身につけるべきスキルと、企業が整備すべき人材像を体系化したものです。経済産業省とIPAが2022年12月にver.1.0を策定し、2023年・2024年の小改訂を経て、2026年4月16日にver.2.0へと刷新されました。 構成は以下の2つで成り立っています。・DXリテラシー標準(全ビジネスパーソン向け):DXに関する基礎的な知識・スキル・マインドの指針・DX推進スキル標準(専門人材向け):DXを推進する役割(ロール)と習得すべきスキルの定義 重要なのは、DSSが「研修カリキュラム」ではなく、組織の人材設計フレームであるという点です。スキルを個人に覚えさせるためのリストではなく、「組織として誰が何を担うか」を定義するための設計図として活用することが、本来の目的です。 DX人材の全体像や求められる役割について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしていただけます。 ▶ DX人材とは?求められるスキル・育成方法を解説https://pasona-digitalacademy.jp/medias/column21-dxjinzai/ 2. DSSはなぜ2026年にver.2.0へ改訂されたのか? 背景にあるのは、生成AIの急速な普及とAX(AIトランスフォーメーション)の本格化です。 従来のDXは「デジタル技術で業務を効率化する」ことが中心でした。しかし今は、AIを前提に業務フロー・意思決定・ビジネスモデルそのものを再設計する段階に移っています。この変化を「AX」と呼びます。 この転換に伴い、多くの企業で次のような問題が顕在化しました。・AIツールを導入しても現場で使われない・データが整備されておらず、AIの精度が出ない・部門ごとに取り組みが分断され、全社の変革につながらない 例えば、生成AIツールを導入したものの、営業現場では「誰が、どの業務で、どのように使うのか」が定義されておらず、数か月後には一部の社員しか使っていない状態になるケースもあります。これはAIツールの問題ではなく、業務設計・役割設計・運用設計が不十分なことによって起きる問題です。 こうした課題に対応するために、DSS ver.2.0では「AI・データ・組織設計」を前提とした人材定義へと進化しています。 3. 【変更前vs変更後】DSS ver.2.0の5つの変更点を比較する DSS ver.2.0のポイントは「何が増えたか」ではなく、「何がどう変わったか」です。以下、旧版との違いを5つの観点で整理します。まず全体像を整理すると、変更の方向性は次のようになります。 観点 変更前(ver.1系) 変更後(ver.2.0) 人材定義 個人スキル中心 ロール・組織設計中心 AI活用 生成AIの活用・理解 AI実装・運用・ガバナンス データ 分析・利活用中心 データマネジメントを独立類型化 ビジネス変革 役割の境界が曖昧 ビジネスアーキテクト類型を再定義 デザイン UI・表現寄り 顧客価値・コミュニケーション設計へ拡張 つまり、DSS ver.2.0は「スキル管理」から「組織・ロール設計」へと軸足が移った点が最大の変化です。 4. 変更点① データマネジメント類型が新設——AIの前提はデータにある 変更前: データに関する役割はデータサイエンティスト類型の中に内包されており、「データエンジニア」は同類型内の一ロールにすぎませんでした。 変更後: 「データマネジメント類型」が独立した類型として新設され、以下の3ロールが定義されました。 ・データスチュワード:データの品質・整合性・利用ルールの管理を担う・データエンジニア:データ基盤の構築・整備・流通の仕組みを担う(旧来のデータサイエンティスト類型から統合)・データアーキテクト:企業全体のデータ設計・構造化を担う この変更の背景は明快です。どれだけ高度なAIを導入しても、データの品質が担保されていなければ成果は出ません。顧客データが欠損・重複している状態では、AIのスコアリングも分析も機能しないのです。データマネジメントは、AXを推進するための前提条件として位置づけられました。 5. […]

AXとは?生成AI時代に求められるDX人材と企業変革リーダー育成のポイント

企業のDX推進が進む中で、「システムは導入したものの成果につながらない」「生成AIを導入したが、現場で十分に活用されていない」といった課題を感じている企業は少なくありません。 こうした背景から注目されているのが、AX(AI Transformation:AIトランスフォーメーション)という考え方です。 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)では、AXを「AIの学習による業務自動化を通じてDXを実現し、業務内容・プロセス・ビジネスモデルをAI前提で変革する取り組み」と整理しています。出典:https://www.ipa.go.jp/digital/chousa/tbl5kb0000004yuf-att/aiws2_20250619_opening_Saitou.pdf ただし、AXはDXに取って代わる新しい概念ではありません。DXが目指してきた「企業や事業の変革」という目的は変わらず、生成AIの登場によって、その実現手段が大きく広がったと捉える方が自然です。 つまり、DXをやめてAXに移るのではありません。DXの目的を実現するために、AIという強力な手段を取り込み、企業変革をより速く、より深く進めていく。その考え方がAXです。 本記事では、AXの基本的な考え方から、DXとの関係、生成AI時代に求められるDX人材の役割、そして企業変革を実行するリーダー育成の考え方までを解説します。 1. AXとは?生成AI時代に注目される理由 AXとは、AIを活用して業務効率化にとどまらず、業務プロセス、意思決定、顧客価値、ビジネスモデルまで変革していく考え方です。 生成AIの普及によって、AIは一部の専門家に限らず、広く使われるようになりました。文章作成、要約、議事録作成、顧客対応、企画立案、データ分析など、日常業務のさまざまな場面で活用できるようになっています。 しかし、AXは単に生成AIツールを導入することではなく、重要なのは、AIを活用して何を変えるのかです。 例えば、営業部門であれば、AIを使って提案資料を作るだけでは不十分です。顧客情報や商談履歴をもとに、どの顧客に、どのタイミングで、どのような提案を行うべきかを考え、営業活動そのものを高度化することが重要です。 人事部門であれば、AIで文章を作成したり、研修資料をまとめたりするだけではありません。社員のスキル、経験、評価、キャリア志向をもとに、誰をどのように育成し、どのポジションで活躍してもらうかを考えることが求められます。 企画・管理部門であれば、市場情報、社内データ、顧客の声を整理し、次の打ち手を検討するための材料としてAIを活用することが重要です。 このように、AXの本質は「AIを使うこと」ではなく、「AIを活用して業務や事業のあり方を変えること」にあります。 2. DXとAXは何が違うのか AXという言葉を見ると、「DXの次に来るもの」と考える人もいるかもしれません。しかし、DXとAXは対立する概念ではありません。どちらも目的は企業変革です。 DXとは、デジタル技術を活用して業務やビジネスモデルを変革し、企業の競争力を高める取り組みです。一方、AXは、DXが目指してきた企業変革をAIの力によって加速・高度化する考え方です。 項目 DX AX 目的 企業変革 企業変革 主な手段 デジタル技術・データ活用 デジタル技術・データ活用・AI活用 主な論点 業務改革、データ活用、顧客接点の変革 意思決定支援、価値創出、業務・事業の高度化 人の役割 変革を企画・推進する AIを活用しながら変革を設計・実行する よくある誤解 IT化・システム導入 AIツールの導入 つまり、DXとAXの違いは「目的」ではなく「手段の広がり」にあります。DXの目的は変わらず、「企業や事業を変革すること」です。 そこに生成AIという新しい手段が加わったことで、企業はDXの進め方そのものを見直す必要が出てきました。この文脈で登場しているのがAXです。 したがって、AXとは「DXの次に来る別物」というよりも、「生成AI時代に進化したDXの考え方」と捉えると理解しやすくなります。 3. なぜ生成AIを導入しても企業変革につながらないのか 生成AIの導入は、以前に比べて容易になりました。ツールを契約し、社内ルールを整備し、研修を実施すれば、多くの企業で一定の利用は始められます。 しかし、AI導入と企業変革は異なります。実際には、生成AIを導入しても、しばらくすると利用者が一部の社員に限られてしまうケースがあります。資料作成や要約には使われているものの、業務プロセスや意思決定の仕組みは変わっていないという状態です。 よくあるのは、次のようなパターンです。 ・生成AIの利用ルールは整備したが、管理職が自分の業務で使っていない・若手や一部の担当者は使っているが、事業部門全体の業務設計には反映されていない・PoCでは成果が出たが、業務フローやKPIが変わっていない・AIで効率化した時間を、顧客理解や事業企画に再投資できていない・AI活用がDX推進部門やIT部門の施策として扱われ、事業責任者のテーマになっていない ここに、AX推進が止まる本質的な理由があります。AIを導入することはできる。しかし、AIを活用して何を変えるのかを決められない。AIで生まれた時間や情報を、どのように顧客価値や事業成長につなげるのかを設計できない。 この状態では、AI活用は個人の業務効率化にとどまり、企業変革に繋がりにくいと言えます。 パソナデジタルアカデミーがAXリーダーズプログラムを通じて多くの企業と接する中で、AI活用が定着している企業には共通する傾向があると分かりました。それは、事業部門の責任者がAI活用の方向性を自分の言葉で語れていることです。 逆に、AI活用が定着しない企業では、DX推進担当やIT部門が旗振り役となり、事業責任者は承認者の立場にとどまっているケースが少なくありません。 AI活用が「担当者の取り組み」で終わるのか、「事業変革の取り組み」になるのか。その分岐点は、事業責任者自身がAI活用を自分のテーマとして捉えられているかどうかにあります。 4. AI時代に求められるDX人材とは 生成AIが登場したからといって、DX人材の役割がまったく別のものに変わるわけではありません。そもそもDX人材とは、単にデジタル技術に詳しい人材ではなく、デジタルを活用して業務や事業を変革し、企業価値を高める人材です。 […]

DX銘柄に選ばれる企業は何が違うのか?DX戦略・人材育成・実装のポイントを解説

DX(デジタルトランスフォーメーション)は、いまや多くの企業にとって避けて通れない経営テーマです。 一方で、「DXに取り組んでいるものの成果が見えない」「システム導入で止まっている」「DX人材が育たない」「経営と現場の認識が揃わない」といった課題を抱える企業も少なくありません。 DXは、単なるデジタルツールの導入や業務効率化ではなく、企業がどのように価値を生み出し、顧客や社会に提供していくのかを見直す経営変革です。 そのような中で注目されているのが「DX銘柄」です。 DX銘柄とは、DXによって企業価値向上を実現している企業を選定する制度です。単にIT活用が進んでいる企業ではなく、デジタル技術を前提に、ビジネスモデルや組織、人材、経営のあり方を変革している企業が評価されます。 本記事では、DX銘柄の意義を整理しながら、これからの企業に求められるDX戦略、人材育成、組織変革の考え方について解説します。後半では、DXを実践に移すための具体的なアプローチとして、管理職向けの「フューチャーデザインプログラム」と、DX推進人材を育成する「AXリーダーズプログラム」についてもご紹介します。 DX銘柄とは何か―選定の意味と、選ばれる会社の条件 「DX銘柄」は、経済産業省と東京証券取引所が2020年から共同で運営している制度です。2023年からはIPAも加わり、技術的・実践的な観点も重視されるようになりました。 東証に上場する企業の中から、DXに先進的に取り組む企業を選定する制度であり、選定される企業は年間でも限られています。 DX銘柄で重視されるのは、単にデジタル技術を導入しているかどうかではありません。デジタル技術を活用し、ビジネスモデルや組織、人材、経営のあり方を変革し、企業価値向上につなげているかどうかが問われます。 主に評価される観点は、次の3つです。 ①DX実現能力デジタル技術の活用によって、ビジネスモデルの変革や新たな価値創出を実現できる組織能力があるかどうかが見られます。経営トップの関与、全社的なデジタル施策の展開、デジタル人材の育成方針なども重要な評価ポイントです。 ③企業価値への貢献DXの取り組みが既存事業の深化や新規事業の創出につながり、企業価値向上に貢献しているかどうかが見られます。方向性だけでなく、指標や成果の提示も求められます。 ②ステークホルダーへの発信投資家や社会に対して、DX推進の取り組みや成果を適切に開示しているかどうかが問われます。法定開示にとどまらず、DXビジョンや具体的な取り組みを積極的に発信しているかも重要です。 つまりDX銘柄とは、「IT活用が進んでいる企業」を示すものではありません。企業のDX実行力、変革力、そして将来の価値創造力を示す指標だと言えます。 DX銘柄が注目される理由 DX銘柄が注目される背景には、DXが企業価値と直結する時代になっていることがあります。 これまで多くの企業では、DXは業務効率化やシステム刷新の文脈で語られることが多くありました。もちろん、業務効率化や生産性向上はDXの重要な成果の一つです。 しかし、現在のDXはそれだけでは十分ではありません。 企業に求められているのは、デジタル技術やデータを活用しながら、顧客体験、事業モデル、組織運営、人材育成のあり方を変えていくことです。 特に生成AIの普及により、業務の自動化や効率化だけでなく、企画、分析、顧客対応、意思決定支援など、企業活動のさまざまな領域で変革が進みつつあります。 そのためDXは、情報システム部門だけのテーマではありません。経営層、事業部門、人事部門、現場リーダーが一体となって取り組むべき経営テーマになっています。 DXが進まない企業に共通する課題 一方で、多くの企業ではDXが思うように進んでいません。その理由は、技術不足だけではありません。むしろ、DXの目的や推進体制、人材育成の設計に課題があるケースが多く見られます。 1.DXの目的が曖昧になっている DXが進まない企業では、「何のためにDXを行うのか」が十分に整理されていないことがあります。 たとえば、「生成AIを活用したい」「システムを刷新したい」「紙業務を減らしたい」といった施策の話が先行し、最終的にどのような事業価値を生み出すのかが曖昧なまま進んでしまうケースです。 DXは、手段ではなく経営変革のためのアプローチです。目的が曖昧なままでは、施策は増えても成果にはつながりにくくなります。 DXの基本的な意味や、IT化・デジタル化との違いを整理したい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。 DXとは?概要や求められている背景、ITとの違いと必要な要素を解説 2.経営と現場が分断されている DXは、経営層だけでも、現場だけでも進みません。 経営層が「事業変革を進めたい」と考えていても、現場がその意図を理解できていなければ、DXは単なる業務負荷として受け止められてしまいます。 一方で、現場で有効な改善アイデアが生まれていても、経営戦略と接続されなければ、局所的な改善にとどまります。 DXを前に進めるには、経営の意思決定と現場の実行をつなぐ人材が必要です。 3.DX人材育成が一過性で終わっている DX研修を実施しても、受講して終わりになってしまうケースも少なくありません。 DX人材育成で重要なのは、知識を学ぶことだけではなく、学んだことを自社の課題に適用し、実際に周囲を巻き込みながら行動に移すことです。 DX人材は、講義だけで育つものではありません。実践、対話、越境学習、フィードバックを通じて、少しずつ育っていきます。 DX人材の育成や、学び続ける環境づくりについて詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。 DX人材は「育てる」のか、「育つ」のか—学び続ける環境が生む変革人材 DX成功のカギは「人材」と「組織」にあります DX銘柄に選ばれるような企業に共通しているのは、デジタル技術の導入だけではなく、人材と組織の変革に取り組んでいることです。 DXを成功させるためには、次のような人材が必要です。 ビジネス課題を構造化できる人材データやAIを活用して解決策を考えられる人材部門を横断して関係者を巻き込める人材顧客やユーザー視点で価値を設計できる人材事業変革のストーリーを描ける人材 このような人材は、単なるIT人材とは異なります。 むしろ、ビジネスとデジタルの両方を理解し、組織を動かしていく「ビジネスアーキテクト型」の人材だと言えます。 ビジネスアーキテクトとは?役割と必要なスキルを徹底解説 DX銘柄に近づく企業が取り組むべき3つのステップ DXを企業価値向上につなげるには、個別施策の積み上げだけでは不十分です。重要なのは、経営、組織、人材、実行を一体で設計することです。 STEP1. 経営の未来像を描く まず必要なのは、DXによって自社がどのような未来を目指すのかを明確にすることです。 自社はどの市場で価値を提供していくのか。顧客や社会に対してどのような役割を果たすのか。デジタル技術やAIをどのように活用するのか。人とテクノロジーの関係をどう設計するのか。 これらの問いに経営層が向き合うことが、DXの出発点になります。 […]

DX人材は「育てる」のか、「育つ」のか—学び続ける環境が生む変革人材

DX人材は、会社が育てるものなのでしょうか。それとも、本人が自ら育っていくものなのでしょうか。 多くの企業が研修制度や教育プログラムの整備に取り組んでいますが、それだけでDX人材が育つとは限りません。 重要なのは、「育てる仕組み」ではなく、人が育ち続ける環境をどうつくるかです。 本記事では、すかいらーくの考え方をもとに、自発的に学び続けるDX人材をどう育てるのか、その本質を解説します。 今回は、公開済みのすかいらーく様のインタビュー記事から、一部を抜粋してお届けする第3回です。 現場DXを推進するリーダーはどう育つのか~すかいらーくDX担当者が語る、実践型「AXリーダーズプログラム」とアルムナイコミュニティの価値~ DX人材育成は「制度」だけでは機能しない DX人材をどう育成するか。この問いに対して、多くの企業は研修体系や教育プログラムの整備から考えます。もちろん、それ自体は重要です。しかし、制度を整えただけで人が育つかというと、必ずしもそうではありません。 すかいらーくで語られていたのは、対照的なスタンスでした。それは、「学びを強制しない」という考え方です。学びを“与える”のではなく、本人の意思に委ねる。この前提が、DX人材育成の出発点になっています。 自発的な学びが行動と成果を変える 社内で「この研修を受けなさい」と一律に課すことは、あまり行っていません。本人が必要だと思ったものを、自分で調べ、自分で申請し、自分で学びに行く。会社はその費用を支援する一方で、学ぶ意思そのものまでは代替しない。 この考え方の背景には、三品様ご自身の経験があります。現場からIT部門へと移り、5〜6年が経った頃、自分たちの進めているDXの方向性が本当に正しいのか、不安を感じていたといいます。ウェビナーにも参加したものの、どうしても受け身になり、腹落ちしない。 その中で出会ったのが、実践型の外部プログラムでした。 自ら課題意識を持ち、自ら選んだ学びだからこそ、行動が変わる。そして、その行動が成果につながっていきます。 学び続ける環境がDX人材を育てる ここで重要なのは、会社から言われたからではなく、自分の課題意識から学びに向かったという点です。だからこそ、学びが自分ごとになり、途中で止まることなく続いていく。さらに、修了後もアルムナイに参加し、継続的な進捗共有や意見交換へとつながっていきました。 この「継続」こそが、DX人材育成において最も重要なポイントです。学びは一度の研修で完結するものではありません。むしろ本質は、修了後にどれだけ実践と内省を繰り返せるかにあります。 社内では、KPIやROIといった成果指標の議論が中心になりがちです。一方で、「この進め方は正しいのか」「他社ではどうしているのか」といった、プロセスそのものを議論する機会は多くありません。 だからこそ、アルムナイのような場が価値を持ちます。学びを継続し、実践し、振り返る。このサイクルを回し続けられる環境こそが、DXを前に進める力になります。 自発的な学びを支えるコミュニティの価値 DX人材の成長は、一度きりの研修ではなく、学び続けられる環境によって支えられます。DX人材育成とは、単に教育を提供することではありません。 ・課題意識を持った人が・自ら学びに行き・学びを現場で実践し振り返り、次につなげる、この循環を設計することが重要です。 パソナデジタルアカデミーのAXリーダーズプログラムも、こうした考え方に基づいて設計されています。 約3ヶ月にわたる実践型プログラムの中で、自社課題に基づいたDXプランを構築し、参加者同士の越境学習によって視野を広げていきます。さらに特徴的なのは、修了後もアルムナイとしてつながり続ける仕組みがあることです。 継続的な交流と情報共有の場が、学びを一過性で終わらせません。こうした「学び続けるコミュニティ」の存在が、自発的に動く人材を支え、DXを前に進める原動力になります。 会社が人を変えるのではなく、人が変わり続けられる環境をつくる。すかいらーくの事例と、このプログラムの思想は、その点で強く重なっています。 DX人材育成は「育てる」から「育ち続ける」へ DXを推進するのは、制度でもツールでもなく、人です。そしてそのDX人材は、単に育てるだけでなく、育ち続けていく存在とも言えます。これからのDX人材育成に求められるのは、一度きりの教育ではなく、自発的な学びと実践を循環させる仕組みです。 パソナデジタルアカデミーのAXリーダーズプログラムでは、自発的な学びを前提としながら、実践型ワークショップと越境学習を組み合わせることで、行動変容を促す設計がなされています。 さらに、修了後もアルムナイとしてつながり続けることで、学びと実践のサイクルを止めない仕組みが用意されています。「育成して終わり」ではなく、DX人材が育ち続ける環境を整えたい方は、ぜひ詳細をご覧ください。 プログラムの詳細は、以下よりご覧いただけます。 ■編集後記DX人材を育てる—そう聞くと、どこか「育成する側」と「育てられる側」が分かれているように感じます。しかし今回の話は、その前提を問い直すものでした。 人は、誰かに育てられるだけでは変わりません。自分で必要性を感じ、自分で学び、自分で変わろうとしたときに、初めて行動が変わります。 一方で、その意志だけに任せても続きません。だからこそ必要なのが、「学び続けられる環境」です。学び、実践し、振り返り、また学ぶ。その循環の中に身を置き続けられるかどうか。 DX人材とは、特別なスキルを持つ人ではなく、変わり続けることをやめない人なのかもしれません。

DXの本質は“効率化”ではない。価値を生む「時間の再配分」とは

DXというと、「効率化」や「生産性向上」を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、それだけではDXの価値を十分に捉えているとは言えません。重要なのは、削減した時間をどう使い、どんな価値を生み出すかです。 本記事では、すかいらーくのシフト管理改革を例に、DXを「時間の再配分」として捉える視点を解説します。 キーワードは、「現場DX」と「価値を生む時間」。DXの成果が見えにくいと感じている企業にとって、重要なヒントとなるはずです。 今回は、公開済みのすかいらーく様のインタビュー記事から、一部を抜粋してお届けする第2回です。 現場DXを推進するリーダーはどう育つのか~すかいらーくDX担当者が語る、実践型「AXリーダーズプログラム」とアルムナイコミュニティの価値~ DXはなぜ「効率化」だけでは語れないのか DXの効果を語る際、よく使われる言葉があります。効率化、省人化、工数削減、生産性向上—いずれも重要な観点です。しかし、それだけではDXの価値を十分に表すことはできません。 すかいらーくの取り組みで印象的なのは、「DXとは時間の使い方を変えること」という考え方です。単に業務を減らすのではなく、時間の使い方そのものを再設計する。この視点に立つことで、DXの意味は大きく変わります。 店長業務の改革が示した「時間の再配分」 その象徴が、シフト管理の見直しでした。 店舗運営における店長業務は、大きく3つに分かれます。「人の管理」「物の管理」「お金の管理」です。中でも特に工数がかかっていたのが、「人の管理」でした。 休み希望や勤務調整の申請は紙でやりとりされ、店長の机に集まる。受け取った・受け取っていない、なくした・見ていない、といった行き違いが発生する。完成したシフトも紙のため、確認には店舗に来る必要がある。 こうした業務は、多くの現場で長く当たり前とされてきました。しかし、当たり前であることと、最適であることは別です。 そこで、すかいらーくではシフト申請から確認までをスマートフォンで完結できる仕組みへと移行しました。これにより、店長やマネージャーの事務作業は大幅に削減されました。 DXとは「価値を生む時間」を増やすこと ただし、重要なのはその先です。工数が減ったからといって、人を減らせばよいわけではありません。三品様が見ていたのは、「その時間を何に使うか」でした。 事務作業に使っていた時間を、接客清掃人材育成といった、より価値の高い仕事に振り向ける。ここにDXの本質があります。 外食産業の価値は、最終的には「人」が生み出します。料理を提供することも、店舗を清潔に保つことも、スタッフを育てることも、人の仕事です。だからこそ、DXの役割は人を不要にすることではありません。 人が価値を発揮する時間を増やすことにあるのです。DXとは単なる効率化ではなく、時間の再配分です。この視点に立つと、DXの評価軸も変わります。システムを導入したかどうかではなく、生まれた時間がどこに使われたのかが重要になります。 現場に生まれた余白は、顧客価値の向上につながったのか。人材育成に活用されたのか。こうした問いこそが、DXの本質に近い評価軸です。 実践を通じて「時間設計力」を身につける DXを“導入した技術”で語るのではなく、“取り戻した時間”で語る。この視点は、多くの企業にとって大きな示唆になります。そして、この「時間の再配分」を構造的に設計できるかどうかが、DX推進の成否を分けます。 パソナデジタルアカデミーのリーダーズプログラムでは、DXの概念理解にとどまらず、サービスデザインビジネスアーキテクチャ設計データ活用といった要素を体系的に学びながら、自社課題に対するDXプランを構築します。 さらに、プランの発表とフィードバックを通じて、実行可能な形へとブラッシュアップしていきます。このプロセスを通じて、DXは単なる効率化ではなく、「価値創出のための時間設計」であるという理解が、実務レベルで定着していきます。 すかいらーくの事例が示すように、DXの成否を分けるのはツールではありません。時間の使い方を再設計できるかどうかです。その視点を持つリーダーをどう育てるか。それが、これからの企業にとって重要なテーマになっていきます。 DX人材育成につながる、“やることを増やさないDX”とは DXを前に進めるためには、新しい取り組みを“追加するのではなく、既存の業務や時間の使い方を再設計することが不可欠です。そしてそのプロセス自体が、DX人材育成の実践の場になるという点も見逃せません。業務を見直し、何をやめるかを判断し、限られたリソースの中で変革を進めていく。この経験こそが、DXを推進できる人材を育てていきます。 パソナデジタルアカデミーのAXリーダーズプログラムでは、ワークショップ形式での実践を通じて、自社の業務構造やビジネスモデルそのものを見直し、変革のシナリオを具体化していきます。 さらに、約3ヶ月にわたる継続的な学びの中で、構想だけでなく「実行につながるアウトプット」を重視している点も特徴です。 “やることを増やすDX”から脱却しながら、実践を通じてDX人材を育てていきたい方は、ぜひご確認ください。 ■編集後記DXという言葉が広がるほどに、その意味は「効率化」に寄っていきがちです。しかし本来のDXは、その先にあるはずです。 今回のテーマである「時間の再配分」は、シンプルでありながら、本質的な問いです。削減した時間をどう使うのか。その意思決定にこそ、企業の価値観が表れます。 現場に生まれた余白を、コスト削減に使うのか。それとも、顧客価値や人材育成に投資するのか。DXはテクノロジーの話ではなく、「時間の使い方の哲学」なのかもしれません。

現場DXとは何か?すかいらーくに学ぶ「時間の再配分」で価値を生むDXの本質

DXというと、多くの企業が「効率化」や「システム導入」を思い浮かべます。しかし、本来のDXはそれだけではありません。 重要なのは、削減した時間をどう使い、どんな価値を生み出すかです。 本記事では、すかいらーくのシフト管理改革を例に、現場から始まったDXがどのように働き方と価値創出を変えたのかを解説します。 キーワードは「現場DX」と「時間の再配分」。DXに取り組むすべての企業にとってヒントとなる事例です。 今回は、公開済みのすかいらーく様のインタビュー記事から、一部を抜粋してお届けする1回目となります。 現場DXを推進するリーダーはどう育つのか~すかいらーくDX担当者が語る、実践型「AXリーダーズプログラム」とアルムナイコミュニティの価値~ なぜDXの起点は「店舗(現場)」だったのか DXという言葉が広がる中で、取り組みの出発点は企業によって大きく異なります。本部主導で全社改革として進めるケースもあれば、特定部門から始めるケースもあります。 その中で、すかいらーくの取り組みが特徴的なのは、DXの起点が「店舗」にあったことです。背景にあったのは、コロナ禍によってその必要性が一気に顕在化したことでした。外食産業にとって、お客様に来店いただき、食事をしていただくことは事業の根幹です。 しかし、感染対策が求められる中で、その前提自体が揺らぎました。接触を減らしながら、これまでと同じ、あるいはそれ以上のサービス体験をどう実現するか。この問いから、現場起点のDXが動き始めました。 店舗DXは「仕組み導入」ではなく業務改革である その結果として進んだのが、モバイルオーダー、配膳ロボット、セルフ会計といった店舗DXです。 しかし重要なのは、これらが単なる「新しい仕組みの導入」ではなかった点です。結果として、業務の在り方そのものを見直す改革につながっていきました。 すかいらーくグループには、アルバイトを含めて10万人以上の従業員がいます。この規模の組織では、1人あたりの削減は小さくても、全体では大きなインパクトになります。 だからこそ、本部機能からではなく、まずは店舗という最大の現場から変える。この判断が、DXの効果を最大化する起点となりました。 現場を知る人がDXを進めると何が変わるのか この取り組みをより本質的なものにしているのが、推進者の視点です。 三品様は現場出身であり、IT一筋のキャリアではありません。だからこそDXを「技術の導入」ではなく、「現場の不便を解消するもの」として捉えています。 インタビューの中で語られた、「自分がやってきて嫌だったことを変えているだけ」という言葉は象徴的です。現場には、日々のストレスや無駄な作業、非効率な動きが積み重なっています。それを実体験として理解している人がDXを進めることで、施策は机上の空論になりにくくなります。 結果として、・目的が明確になる・現場に受け入れられる・定着しやすいという好循環が生まれます。 DXはなぜ「効率化」で終わってはいけないのか(時間の再配分) DXは効率化のためのもの―そう捉えられることは少なくありません。しかし、それはあくまで入口に過ぎません。 本質は、時間の再配分にあります。例えば、これまで事務作業に3時間かかっていた業務が、DXによって1時間になる。重要なのは、その削減された2時間をどう使うかです。 ・接客の質を高める・店舗の清掃や環境改善に使う・人材育成に充てるこうした“価値を生む時間”に転換してこそ、DXの意味が生まれます。 難しいことではなく、「自分がやっていて嫌だったことを変える」という発想。この視点の転換こそが、成果を分けるポイントです。 現場DXを成功させる人材とは(DXリーダーの条件) では、このような現場起点のDXを実現するために必要なものは何でしょうか。 鍵となるのは、「現場を理解している人材」です。現場を知らないまま進めるDXでは、何を変えるべきかの優先順位が見えません。 一方で、現場を知っている人は、本当に解決すべき課題を見極めることができます。その結果、施策は実行され、現場に定着していきます。 ただし、こうした人材は自然に育つわけではありません。現場理解に加えて、構造的に課題を捉え、変革を設計する力が求められます。 現場起点のDXを実現するための学びとは 現場DXは、ツールを導入するだけでは実現できません。重要なのは、「現場の課題を構造的に捉え、変革を設計できる人材」です。 パソナデジタルアカデミーのAXリーダーズプログラムでは、自社課題をベースにDXプランを構築し、実行までを見据えた実践型の学びを提供しています。チームでのワークショップや越境学習を通じて、DXの本質やユーザー起点でのビジネス設計を学びながら、具体的なアクションへと落とし込んでいきます。 単なる知識習得ではなく、「自社でどう実現するか」まで踏み込む。だからこそ、現場からDXを動かせるリーダーが育ちます。 現場から変革を起こしたいと考えている方は、ぜひ一度プログラムをご覧ください。 DX人材育成を前提に、現場DXの第一歩を踏み出す 現場からDXを始めるうえで重要なのは、「何を導入するか」ではなく、どのように変革を設計するかです。 そしてもう一つ欠かせないのが、その変革を担うDX人材をどう育てるかという視点です。 DXはツール導入ではなく、現場の意思決定や業務の進め方そのものを変えていく取り組みです。だからこそ、現場を理解し、自ら考え、動ける人材の存在が前提になります。 パソナデジタルアカデミーのAXリーダーズプログラムでは、自社の課題を起点に、ビジネス変革を“構想だけで終わらせず”、実際のDXプランとして形にしていく実践型の学びが提供されています。 また、異業種の参加者との共創型ワークショップを通じて、自社だけでは得られない視点や気づきを得られる点も特徴です。 「何から始めるべきか」を言語化し、同時にDX人材育成の第一歩を踏み出したい方は、ぜひ詳細をご覧ください。 ■編集後記DXという言葉が広がるほどに、その意味は曖昧になりがちです。効率化、システム導入、AI活用—どれも間違いではありませんが、それだけでは本質には届きません。 今回のインタビューで印象的だったのは、「自分がやってきて嫌だったことを変えているだけ」という言葉でした。この一言に、現場から始まるDXのすべてが詰まっているように感じます。 現場には、まだ言語化されていない不便や無駄が数多く残っています。そして、それに気づけるのは、そこで働いてきた人だけです。 DXはテクノロジーの話ではなく、人の時間の使い方をどう変えるかという問い。そしてその出発点は、いつも「現場」にあります。 効率化の先に、どんな価値を生み出すのか。その問いに向き合い続けることこそが、これからのDXに求められる視点なのかもしれません。

研修レポ|DX×GXで描く未来―DXリーダーたちは学び続ける

AXリーダーズプログラム1~6期生の修了者が集う「アルムナイプログラム」を2026年1月30日に開催しました。参加企業の受講生・上司を合わせて計12社・23名が参加した、プログラムの様子をレポートします。 会社を越えたDXリーダーのコミュニティ アルムナイとは「同窓生・卒業生」を表す英語で、近年では人事業界において「離職者・退職者の集まり」という意味で用いられることも増えています。 パソナデジタルアカデミーでは、自社のビジネスや業務の変革をリードする人材を育成する「AXリーダーズプログラム」を2023年より提供。その修了者をアルムナイと呼び、学習コミュニティとしての活動を継続しています。 アルムナイプログラムの場では、AXリーダーズプログラムで作成した各社のDXプランの進捗発表やグループディスカッション、その時に合わせたトピックスで追加講義を行っています。別の期で学んだ受講生同士が集まり、会社を越えたつながりが深まり・広がる場です。 DXプランを実装させるためには?DXリーダー同士のノウハウ共有 今回のアルムナイプログラムのテーマは「DX×GX」。まずは1期生・3期生・5期生の受講生から1名ずつ計3社に、DXプランの進捗を発表してもらいました。1期生や3期生はプログラム修了から約2年が経過しており、DXプランを徐々に進め、成果に繋がり始めていることに非常に関心を集めていました。 プランを進めていれば、順調に進められている部分だけではなく、苦戦する部分にも遭遇します。その苦戦ポイントは他の企業でも抱えている可能性があるからこそ、プラン発表に対して他の受講生からの質疑応答を設けています。 「自分の会社ではこういうことに困っている」「同じように自社でやってみようと思うができない」「どうやって経営層を巻き込んだか」といった質問が寄せられました。組織内でDXを進めるリーダーだからこそ抱える悩みをシェアしあえることができる、これがこのアルムナイのもたらす大きな価値となっています。 また、今回のテーマがGXということで、GX事業を展開する会社からは、プランの進捗発表とともに、自社のGX事業紹介もしてもらいました。特に製造業の参加者からは、サステナビリティに関する新たな課題が再認識され、業種・業界が異なれば、サステナビリティの捉え方やミッションが様々なのだと考えさせられました。 持続可能な発展のために―GX×DXで描く未来 その後、立命館大学経営学部 依田祐一教授より、GXとDXの講義をしていただきました。デジタル技術がいかにGXを可能にするか、企業経営におけるサステナビリティとDXの同時追及が求められています。 また、カーボンニュートラルの実現目標を掲げる企業も増えており、自社の発展にサステナビリティの視点は欠かすことができず、そしてサステナビリティに取り組むことで企業価値が評価されます。 講義のあとはワークショップを行い、環境価値のある自社製品・サービスを考えました。最後には「DXを進める人たちこそ、GXを進めるポテンシャルがある」というメッセージをいただき、この日のプログラムを終えることなりました。 AXリーダーズプログラムに参加しませんか? 今回「DX×GX」をテーマにアルムナイプログラムを実施したことで、自社のビジネスをデザインするためには、社会環境やサステナビリティの視点は不可欠で、その視点がないと持続可能な発展は遂げられないと感じました。 DXリーダーのみならず、社内外の多様な関係者を巻き込んでこそ、DXは前進しますが、この“巻き込み”に苦戦する企業やDX担当者は少なくないのではないでしょうか。そんなDX推進の共通の悩みを共有し、他社の良いところをマネして自社に持ち帰ることができることは、このアルムナイプログラムで得られることの一つです。 これからもAXリーダーズプログラムを通じて、DXリーダーの輪を広げてまいります。皆様のご参加もお待ちしております。 \ AXリーダーズプログラムをもっと知りたい方 /

のべ受講生が80名超!第7期AXリーダーズプログラム合宿レポート

自社のビジネス・業務変革を牽引するDXリーダーを育成する「AXリーダーズプログラム」第7期が2026年1月に開講しました。今期はメーカー、不動産、小売、物流、リースなど、より一層幅広い業界から15社・計16名の受講生が参加。今回は2026年1月9~10日の初回研修である、淡路島合宿の様子をお届けします。 80名を超えるDXリーダーを輩出してきたDX実践プログラム AXリーダーズプログラムは2023年に提供開始し、6期までに80名もの修了者を輩出。毎期、自社のDX推進を担う同志たちが集まり、業種や職種の垣根を越えて学び合っています。 DX人材育成を進める企業が多い昨今、パソナデジタルアカデミーが重要視しているのは、知識のインプットで終わらせない、「DXを現場で実践できるDXリーダーの育成」です。 修了後には、期をまたいで受講生が集まり、ディスカッションや学びを深めるアルムナイを定期的に開催。その結果、プログラム中に立案したプランが実際に現場で実装し始める事例も出ています。 非日常の空間でDXリーダーとしてのマインドをアップデート ここからは、第7期の淡路合宿の様子をお届けします。DXのように新しいことや前例の少ないことに取り組むには、日常から離れ、心をリフレッシュさせて学ぶことが効果的です。そのため、AXリーダーズプログラムでは毎期、初回研修を淡路島で開催しています。 まずは全国各地・多様な業界から集まった受講生の皆さんに、ランチを楽しみながら距離を縮めてもらいました。 その後、立命館大学・後藤智教授による、3ヶ月間の学びの土台となるDXの基本概念の講義からスタート。2日目には神戸大学・鈴木竜太教授の講義があり、DXリーダーの素養として欠かせないリーダーシップ理論を学びました。 合宿の最後には、パソナグループの禅リトリートが体験できる施設へ。自然に囲まれた非日常の空間で「無」や「空」を体験し、これからDXリーダーとして活躍する自分自身と向き合うことができました。 DXリーダーに欠かせない実践力を3ヶ月間で獲得 この淡路合宿は、DXリーダーとして3ヶ月間学んでいくスタートラインです。AXリーダーズプログラムでは、合宿などの対面研修とオンラインを組み合わせながら約50時間、デジタル技術を活用して新たな価値を生み出す力を養います。 分野 ビジネス変革 パーソナル データ活用 講義例 DX基本概念とデザインサービスデザインビジネスアーキテクチャ コミュニケーションデザインリーダーシッププレゼンテーション 生成AI活用データ活用プロトタイプ&リサーチ ビジネス変革・パーソナル・データ活用を網羅的に、異なる価値観の方々とのワークショップを主体として学びます。3ヶ月目からは自社が抱える課題を解決するDXプランの作成に取り組みます。これまでの学びの集大成として、単なる業務改善にとどまらない、ビジネスアーキテクトに着目したDXプランを設計し、発表します。 DXの実践にこだわるAXリーダーズプログラム AXリーダーズプログラムは、自社のDX推進の役割を担う人や、自部門でDXの旗振り役になっていく人に受講いただきたいプログラムです。受講生自身の成長はもちろん、DXプランを持ち帰ることで、周囲を巻き込みながら自社でDXを推進させる力が磨かれます。 これまでDX人材育成を実行してきた企業様が、改めてDXの成果を出していくために、当プログラムに社員を送り込んでいただくケースも増えています。 貴社の効果的な活用方法や参加者の選び方など、いつでもご相談を承ります。まずはお問合せくださいませ。

修了式レポート|第6期AXリーダーズプログラム

デジタルを活用し、他者と協創しながらビジネス変革をデザインできる、DXリーダー人材を育成する「AXリーダーズプログラム」第6期のDXプラン発表会が2025年12月20日に開催され、6期生が3ヶ月間・約50時間の学びを経て、修了しました。 今期は2025年9月に始まり、銀行、メーカー、リース、造船など多様な業界の10社から、計12名が参加。DXプラン発表会では、越境だからこそ得られた成果や成長を感じられた時間となりました。今回は発表会を含む最終合宿の様子をお届けします。 越境学習で得られる成長と成果 AXリーダーズプログラムでは、業務やビジネスを変革するためのビジネスアーキテクト領域を中心に、3ヶ月間・約50時間学びます。DXを自社でリードするためには、ビジネスアーキテクトの知識だけでなく、組織を率いる人間力も欠かせません。 そのため、リーダーシップやプレゼンス向上といった、パーソナルスキルも磨きます。さらに、生成AIやデータ活用を自社ビジネスに活かす方法も学び、DX推進に必要な素養を網羅的に学ぶカリキュラムが特徴です。 はじめの1~2ヶ月はインプットを中心に、他社の受講生とともにワークショップ形式で学びます。異なる業界・職種の視点に触れることで、新しい発想や気付きが得られるのは、越境学習ならではの体験です。 3ヶ月目からは自社が抱える課題を解決するDXプランの作成に取り組みます。これまでの学びの集大成として、単なる業務改善にとどまらない、ビジネスアーキテクトに着目したDXプランを作り上げます。 \ AXリーダーズプログラムについてもっと知りたい方 / 最終合宿レポート:淡路島で迎えた集大成 ここからは、12月19~20日に行われた6期生の1泊2日の最終合宿の様子をお届けします。 ■午前:淡路島に集合、ドキドキのスタート初日の午前中、受講生は淡路島に集合。発表会への緊張感を胸に、ランチを楽しみながらプログラムが始まりました。 ■午後:DXプランの中間発表とブラッシュアップ午後は作成中のDXプランを中間発表。講師や他の受講生からフィードバックを受け、DXプランをブラッシュアップします。最高のDXプランを仕上げるため、夕食後も作業を続ける受講生も少なくありませんでした。 ■上司向けプログラム:禅リトリートで非日常体験受講生がDXプランの中間発表をしている間、翌日の最終発表会に参加する上司たちは別行程で淡路島へ。パソナグループの施設で禅リトリートが体験し、自然に囲まれた非日常の空間で、「無」や「空」を感じる時間を過ごしてもらいました。 ■夜:交流ディナーで広がる共創の輪1日目の最後は、受講生と上司が全員集まり、夕食を楽しみながら交流を深めます。異業種の企業様同士が、共創関係を築き、新たなコラボレーションの可能性を探る場となりました。 業界を超えたコラボレーションが生まれるDXプラン発表会 いよいよ迎えた合宿2日目、3ヶ月間の学びの集大成となるDXプラン発表会です。今期は10社・12名による、新しいビジネスアーキテクトを描いた12ものDXプランが完成しました。 DXプランを立案したのは、非IT部門で、普段は事業部門に属している受講生の皆さんです。デジタルの良さを自社でどう活かしていけるか?を3ヶ月間かけて互いに学び合い、考え尽くしていただいた成果であるDXプランには、このようなものがありました。 ①高齢者向け金融サービス|金融高齢者が銀行を利用する際のリスクや不便さに対応するため、新たな金融サービスを提案。地域などのコミュニティも巻き込み、高齢化にも対応できるようなアイデアを立案しました。 ②データ管理プラットフォーム|製造業現場と本社間の情報分断や業務が属人化しがちな課題に着目。データを全社で有効活用するための情報基盤の構想を提案しました。 ③地域に根ざしたモビリティサービス|製造業高齢化が進む地域が抱える、移動や生活サービスの利用しづらさを課題に設定。移動手段や生活支援を組み合わせた、新たなビジネスモデルを描きました。 また、DXプラン発表会は、受講生による単なるプレゼンテーションの場ではありません。他の受講生や他社の上司から、異業種ならではの視点でフィードバックを受け、さらなるDXプランのブラッシュアップや越境コラボレーションの可能性を探ります。こうして、自社のDXを実行するリーダーとして、次の課題や目標を持った状態で、プログラムを修了しました。 AXリーダーズプログラムのメイン講師である、立命館大学・後藤智教授からは次のようなコメントをいただきました。 DX推進には「アーキテクチャデザイン」が不可欠で、日常生活や業界の枠を超えた、「人・行動・データのつながり」を描く力が重要です。提案された各社のDXプランは、単なるデジタル化に留まらず、協調領域や社会課題解決に向けた広い視野と実践力を示しています。今後のDXにおいては、日常の中でアーキテクチャを意識し、業界横断の連携・価値創出を目指していかなければなりません。 DXリーダーとしての決意を胸に ー 受講生の感想 3ヶ月間、越境の学びあいのなかで、受講生はどのような思いを抱いたのでしょうか。ここで3名の感想を抜粋して紹介します。・銀行今後も業種を越えた連携と交流を深め、競争だけでなく共創によるDX推進を目指したい。・メーカーDXやグループ戦略の推進には、個人だけでなくチームや組織の協力が不可欠だと分かった。今回の研修は仲間づくりやネットワーク形成に間違いなく役立った。・メーカー多くの参加者が、社員や顧客の高齢化や暗黙知の形式知化などの課題を扱っており、共通点があると感じた。ぜひ、今後も業界を越えてディスカッションや交流の場を設けていきたい。 AXリーダーズプログラムが解決できること AXリーダーズプログラムはこのような課題感がある企業様におすすめです。・DX推進できちんと成果が出せるDX人材育成をしたい・越境のなかで学びあうことで多様な価値観に触れ、DX組織に属する社員のリスキリングを図りたい・業界を超えた新たなイノベーションの機会を探している ■編集後記2023年から提供開始しているAXリーダーズプログラムの修了者は、80名を超えました。時代の変化やテクノロジーの進歩が早い昨今だからこそ、回を重ねるごとに多様な越境コラボレーションが生まれています。パソナデジタルアカデミーはこれからも、会社の次世代を担うDXリーダーを育成してまいります。この熱量を私たちと一緒に体感しませんか?ご参加をお待ちしております。