現場DXを推進するリーダーはどう育つのか~すかいらーくDX担当者が語る、実践型「AXリーダーズプログラム」とアルムナイコミュニティの価値~

DXを推進する企業が増える中で、「DXを牽引する人材をどう育てるか」は多くの企業に共通する課題です。 パソナデジタルアカデミーの「AXリーダーズプログラム」は、DXの知識を学ぶだけでなく、自社のDXプランの構築まで取り組む実践型の研修プログラムです。企業ごとの課題を持ち寄りながら、DX推進の考え方や実践方法を体系的に学び、実際のビジネス変革につなげていくことを目的としています。 今回は、同プログラム第1期生として参加し、現在もアルムナイ活動を通じてDX推進の知見を共有している、株式会社すかいらーくホールディングスでDX推進に携わる三品様にお話を伺いました。店舗DXの取り組みやプログラムで得た学び、そしてDX人材育成についての考えを語っていただきました。 企業名:株式会社すかいらーくホールディングス事業内容:フードサービス事業を中心に、ファミリーレストラン・専門レストラン・カフェなどの飲食店運営、デリバリー・テイクアウト事業、食品製造、食材調達・物流、店舗開発・ブランド開発などの周辺事業を展開。国内外で約3,000店舗規模のレストランチェーンを運営従業員数:正社員 6,761名/クルー(パート・アルバイト等)112,220名(2025年12月31日時点、グループ合計) 取材対応:IT本部フィールドDXグループ IT企画グループ ディレクター三品 繋 氏 1. コロナ禍で加速した店舗DX ― 非接触サービスと業務改革 コロナ禍は、多くの外食企業にとってビジネスモデルを見直す大きな転機となりました。すかいらーくグループでは、その中でどのようにDXを進めてきたのでしょうか。 ——はじめに、すかいらーくグループでは、どのような背景からDXの取り組みが進んだのでしょうか。 三品氏:大きな転機になったのは、やはりコロナ禍でした。当社のような外食産業は、「来店して食事をしていただく」という、人と接することが前提のビジネスです。 そのような状況の中で、社内では「非接触でどうサービスを提供できるか」という議論が始まりました。モバイルオーダーや配膳ロボット、セルフ会計といった取り組みも、そうした流れの中で進めてきたものです。ただ、私たちはDXを単なるIT導入だとは考えていません。目的は、現場の業務そのものを変えていくことにあると思っています。 すかいらーくグループには、アルバイトを含めて10万人以上の従業員がいます。仮に1人あたり10分でも作業時間を短縮できれば、それだけで非常に大きなインパクトになります。だからこそ、テクノロジーの導入をゴールにするのではなく、それをきっかけに現場の業務を見直していく。そうした視点でDXに取り組んできました。 2. 店長業務の負担を軽減するシフト管理DX ― 現場の時間の使い方を変える 店舗DXの目的は、単にツールを導入することではありません。すかいらーくグループでは、さまざまな店舗業務の見直しを進める中で、現場の働き方そのものを変えるDXに取り組んできました。その中でも特に大きな改善につながったのが、シフト管理の改革でした。 ——店舗運営のDXとして、具体的にはどのような業務改革を行われたのでしょうか。 三品氏:店舗の店長業務は、大きく分けると「人の管理」「物の管理」「お金の管理」の3つがあります。 その中でも、特に工数がかかっていたのが「人の管理」でした。例えばシフト管理は、以前は紙ベースで行っていたため、さまざまな課題がありました。休み申請の紙がなくなってしまったり、伝達ミスが起きたり、シフトを確認するためにわざわざ店舗に来る必要があったりと、現場の負担が大きかったのです。 そこで、スマートフォンからシフト申請や確認ができる仕組みに変更しました。これによって店長の事務作業の時間を大きく削減することができました。その結果、削減できた時間を接客やスタッフ教育といった、本来価値を生む業務に使えるようになったのは大きいと思います。 私はDXとは、単にITを導入することではなく、「時間の使い方を変えること」だと考えています。 3. DX推進の方向性を確かめるために参加した「AXリーダーズプログラム」 DXの取り組みを進める中で、自社の方向性が正しいのかを客観的に確認したいと考えるリーダーは少なくありません。三品氏もその一人でした。 ——三品様がパソナデジタルアカデミーの「AXリーダーズプログラム」に参加されたきっかけを教えてください。 三品氏:私はもともとIT出身ではなく、現場からIT部門に異動してきました。IT部門に来て5〜6年ほど経った頃、「今自分たちが進めているDXの取り組みは、本当に正しいのだろうか」と感じるようになったんです。DX関連のウェビナーにも参加していましたが、どうしても“聞くだけ”のものが多く、少し物足りなさを感じていました。 その点、AXリーダーズプログラムは実践型で、自社のDXプランを構築するところまで取り組める点に魅力を感じました。自分が進めているDXの方向性を整理し、改めて確認したいという思いから参加を決めました。 4. 実践型プログラムで得られた学び ― DX推進の考え方を体系的に整理 実践型プログラムでは、単に知識を学ぶだけでなく、自社の取り組みを整理しながらDX推進の考え方を体系的に理解することができます。 ——実際にAXリーダーズプログラムに参加してみて、どのような学びがありましたか。 三品氏:一番大きかったのは、自分が考えていたDXの方向性が間違っていないと確信できたことです。 プログラムでは、DXの考え方だけでなく、DX推進のプロセスや組織を巻き込む方法、施策の整理の仕方などを体系的に学ぶことができました。その結果、これまで自社で進めてきた取り組みを客観的に整理することができたと感じています。 DX推進の考え方を、改めて構造的に理解できたことは大きな学びだったと思います。 5. DX推進を支えるアルムナイコミュニティ ― 社外の仲間と学び続ける環境 DXは、一度学べば終わりというものではなく、継続的な学びと実践が求められる取り組みです。 AXリーダーズプログラムでは、修了後も学び続けられる環境としてアルムナイコミュニティが用意されており、参加者同士がDX推進の取り組みや課題を共有しながら互いに刺激を受ける場となっています。 ——プログラム修了後はアルムナイ活動にも参加されていますが、どのような価値を感じていますか。 三品氏:アルムナイでは、修了生同士でそれぞれのDXの進捗や課題を共有しています。特に価値を感じているのは、定期的に進捗を共有する場があることです。私はあまり計画的に物事を進めるタイプではないので、報告する場があることで自然と行動につながっています。また、社内ではどうしてもKPIやROIといった成果指標の議論が中心になりますが、アルムナイでは「この進め方は正しいのか」といった、DXの進め方や手法の部分まで踏み込んで議論することができます。 DXを推進する仲間が社外にもいるというのは、とても心強いですね。互いに刺激を受けながら学び続けられる環境があることは、大きな価値だと感じています。 <アルムナイレポート|DX×GXで描く未来―DXリーダーたちは学び続ける> レポート記事はこちら […]